日常生活やスポーツ中に、太ももをぶつけて痛みや腫れで歩けなくなった、あるいは走れなくなったことはありませんか?
太もも(大腿四頭筋)の打撲では程度によっては、腫れや痛みが強く出現し、膝の曲げ伸ばしや歩く・走るといった動作が大きく制限されることがあります。
対処を誤ると重症な状態になってしまうこともあります。
この記事では太もも(大腿四頭筋)打撲の原因・症状、気を付けなければならない事、治療方法を紹介します。
コンタクトスポーツや球技など、打撲する可能性が高いスポーツをされている方にとって身近なケガについての記事です。ぜひ参考にしてください。
太もも(大腿四頭筋)打撲とは
太もも(大腿四頭筋)とは、名前の通り4つの筋肉から構成されている太ももの大きな筋肉です。
- 内側広筋(内側)
- 中間広筋(真ん中の下)
- 大腿直筋(上部)
- 外側広筋(外側)
で構成されています。
青色に着色しているのが大腿四頭筋です。
太もも(大腿四頭筋)打撲とは、この4つの筋肉のいずれかをスポーツ活動や日常生活などで強くぶつけてしまい、筋肉が損傷している状態のことを言います。
また、色々な呼び方があり、チャーリーホースやモモカンなどとも呼ばれています。
太もも(大腿四頭筋)打撲の原因
当院では圧倒的にスポーツ選手に多く見られます。
アメリカンフットボール、サッカー、ラクロスと言ったコンタクトスポーツや、選手同士が接触する可能性のあるスポーツで多く見られます。
原因として、相手選手の膝が太ももにぶつかってしまったり、肩が太ももにぶつかってしまったりと様々です。
太もも(大腿四頭筋)打撲を調べるには
まず、うつ伏せに寝てもらい膝を他者が曲げていきます。
その際に、
(1)軽度 → 痛み・腫れは軽く、膝関節が90度以上曲がるもの
(2)中等度 → 痛み・腫れがやや強く、膝関節が90度まで曲がらないもの
(3)重度 → 痛み・腫れが強く、膝関節が45度まで曲がらないもの
この3つの段階に分けていきます。
さらに緊急性・重症度に応じて対処していきます。
太もも(大腿四頭筋)打撲の症状
打撲した直後は鈍い痛みと、打撲の程度によって運動制限がみられます。
筋肉の損傷が高度であれば、筋肉の中で出血が起こり筋肉の内圧が上がってしまい、最悪の場合急性のコンパートメント症候群を起こしてしまう場合もあります。
※コンパートメント症候群とは
筋膜という膜に包まれた筋肉がそれぞれのコンパートメント(区画)で、打撲や骨折などによって内圧が上昇(パンパンになる)し、その中に存在する筋肉・血管・神経などが圧迫され、感覚喪失や麻痺などの症状を引き起こすもの
太もも(大腿四頭筋)打撲で最も注意する事!
太もも(大腿四頭筋)打撲で最も注意しなければならないのが骨化性筋炎です。
骨化性筋炎とは、打撲を受けた部分に組織を治そうと血が集まり、血腫となりそこに血中に含まれているカルシウムが沈着。そのカルシウムが組織内で固まり骨化してしまい、そのまま組織内に残ってしまう事を言います。
原因として挙げられるのが、血腫が消失していないのに練習を続行したり、無理なストレッチやマッサージなどによっていつまでも血腫が引かない様になってしまい、その血腫が骨化性筋炎になってしまうことがあります。
骨化性筋炎になると、最悪の場合手術によって、骨化した組織を取り除かなければならない事になってしまいます。
骨化には至らずとも、筋肉の中に溜まった血がなかなか体内に吸収されず留まってしまう場合もあります。この場合も吸収を促進する薬剤投与や、外科的措置が必要です。
当院では上記の症状を疑う場合、専門の医療機関にご紹介し、連携を取りながら対処させていただきます。
太もも(大腿四頭筋)打撲の治療
打撲を受けた際、一番最初に行なわなければならないのは「RICE」という処置です。
RICE
- R(Rest)=安静
- I(Icing)=冷却
- C(Compression)=圧迫
- E(Elevation)=挙上
この4つを最初に行います。
スポーツ活動中に打撲を受けた場合はまず「冷却(I)」と「安静(R)」を行います。
打撲を受けた直後は筋組織が損傷し、炎症によって腫れたり、熱(熱感)を持ったりします。
そこで「冷却(I)」を行い、炎症反応を和らげ腫れを落ち着かせます。
次に患部を動かさずに「安静(R)」を図り筋損傷が強くなるのを防ぎます。
さらに患部に対して「圧迫(C)」を行い、腫れが強くならない様にしていきます。
「挙上(E)」は心臓より高い位置に患部を置く事によって血液の流れを良くし、腫れを防ぐのが目的です。
※ただし、前述した急性コンパートメント症候群が疑わしい場合は③圧迫を行うと内圧が上昇を悪化させてしまうため、注意が必要です。
当院での治療方法はまず、膝がどれだけの角度まで曲がるのかチェックし、損傷度を確認します。
アイシング
熱感、腫れが強い場合はアイシングを行います。
↓アイシングについての記事です。参考にしてください。
エコー画像検査
さらにエコー画像検査を行い、筋の損傷がどれだけしているかをより明確に確認します。
太もも(大腿四頭筋)のエコー検査画像例です。画面の右側が線維がハッキリクッキリ見えるのに対して、左側は線維が不鮮明です。
筋肉が潰れて損傷していること、出血が広がっていることからこのように写ります。
超音波治療
次に超音波治療を行い、損傷組織の治癒効果の促進を図ります。
テーピング
その後伸縮テープで血流を良くするテーピングを巻き、包帯で圧迫し患者様には安静を第一にしてもらいます。
患者様には初回治療以降は、来院された都度、膝がどれだけ曲がるかのチェックを行いアイシングや超音波治療をして頂きます。
さらに損傷程度が軽くなってきた場合は患部に対してジェルマッサージを行い血液の流れを良くしていき、さらに損傷箇所の治癒を促進していきます。
運動選手であれば基本的には段階的に競技に復帰していただきますが、大事な試合や最後の大会など、どうしても競技がしたいというときは患者様、保護者様、指導者様と相談の上、できうる最善策を考えさせていただきます。
当院グループでは、ケガの状態や患者様の置かれている状況、心境を踏まえて、可能な限りのサポートをさせていただきます!!
まとめ
太もも(大腿四頭筋)打撲はスポーツ選手、特にコンタクトスポーツにおいて多く見られる怪我です。
甘く見ると前半で述べた様なコンパートメント症候群や骨化性筋炎になってしまいます。
応急処置としてしっかりとRICE処置を行い、自分で解決しようとせず、近くの接骨院や整形外科に行き正しい治療を受け治していきましょう。
京都市内で5院展開のこばやし接骨整骨院グループでは、打撲など緊急性の治療はもちろん、体のケガの治療から予防法の指導まであなたのベストパフォーマンスを追及します。体の痛み・辛さでお悩みの方はご相談ください。