日常生活・お仕事・スポーツ中など、様々な場面において怪我のリスクが潜んでいます。
「怪我をした時は冷やす」ということは知っている方が多いと思います。
でも、具体的に
「どうやって冷やすの?」
「なぜ冷やす必要があるの?」
など、よく知らない人も多いのではないでしょうか。
今回は怪我の応急処置として患部を冷やす=「アイシング」について解説していきます。
怪我をしたときアイシングを行うメリット
怪我をした際にアイシングを行ったほうがよい理由は主に3点です。
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- 内出血の軽減
- 痛みの軽減
- 筋肉が固くなることを抑える
内出血の軽減
打撲、捻挫、肉離れなど怪我をした時は、細胞の周りの毛細血管などが傷つきます。傷ついた毛細血管から出血し、患部の周辺が血液などで満たされます。(=腫れ)
傷ついた細胞の修復には新たに血液が必要です。しかし、患部に充満した血液により新たに血液を送る毛細血管が圧迫され、血液の流れが邪魔されてしまいます。これでは患部の治りは遅くなってしまいます。
そこで、アイシングを行うことで、出血している毛細血管を縮めて余計な出血を抑えます。それにより、新たな血液がスムーズに流れてくるようにするのです。
痛みの軽減
怪我をすると、患部にある痛みのセンサーから脳に「痛い」という信号が送られます。
信号を受けた脳は患部を守るために動かさないように命令を出します。
すると患部周辺の筋肉が固くなってしまいます。
アイシングを行うと、この痛みのセンサーの働きを抑えることができ、痛みそのものが軽減されます。
筋肉が固くなることを抑える
痛みが軽減されると、筋肉の緊張も緩んで、周りの筋肉が固くなることを防げます。
スポーツ後もアイシングをするのはそのためです。
激しく使った部位は多少なりとも細胞が傷ついてるので、アイシングを行うことでこれら3点の効果が期待でき、回復を早めてくれます。
怪我をしたときのアイシングの方法・手順
アイシングには色々な方法がありますが、特別な道具がなくても簡単にできる方法をご紹介します。
アイシングを行うタイミングは、怪我をしてからできるだけ早くがよいです。すばやく処置を行い、余計な内出血、腫れを防ぐ必要があります。
用意するものは、
・ビニール袋
・氷
・水
ビニール袋に氷を入れ、氷が覆われる程度の水を入れ、空気を抜きます。
患部にあて、15~20分冷やします。最初は冷たくてだんだんと痛くなってきますが、次第に感覚がなくなってきます。感覚が無くなってきたらアイシングをやめる目安です。
一度やめたら40分~1時間は間隔をあけます。
これを48時間繰り返すというのが定説とされていますが、できるだけ早めに接骨院・病院で怪我の状態を確認しましょう。
氷と一緒に水を入れる理由は、
・氷の表面温度を0℃以上にすることで凍傷のリスクを減らす
・氷は解ける際に熱を奪う効果を1番発揮するのでその効果を促す
・少し解けることで患部に密着させやすくなる
といった点です
水がない場合は氷だけでもよいですが、凍傷防止のため同じ場所にあたり続けないように、ビニール袋を動かしながら15~20分あてるとよいです。
怪我をしたときのアイシングについてQ&A
保冷剤は使っていいの?
保冷剤は0℃以下になっている場合があり、氷水より冷たく凍傷のリスクが高く注意が必要です。
しかたなく保冷剤を使う場合は、薄い布などをあてて行うと幾分かリスクを減らすことができますが、おすすめはできません。
しかし家に保冷剤しかないという場合もあると思いますので、リスクを知ったうえで使用していただければと思います。
睡眠中はどうすればいいの?
睡眠中は、冷却効果は薄いですが冷感シップなどに切り替えてください。これも凍傷のリスクを避けるためです。
入浴はしていいの?
怪我をした時は冷やしたほうがいいのか、温めたほうがいいのか。これもよくある質問ですが、怪我をした直後は冷やしたほうがよいです。
治療の過程で温める治療に移行していくのですが、これは患部の血流をよく流したい時です。
怪我をした時は、まずは余計な内出血を抑える必要があります。
ここで温めてしまうと余計に内出血し、腫れ・痛みが悪化する可能性があります。
温めたらよくなったことがあるという方もおられるかもしれませんが、それは怪我が軽傷で、すでに血流をよくしたいタイミングだったということです。
簡単に言うと怪我をした日は
・冷やす = 患部の症状を軽減させる。
・温める = 患部の症状を軽減させる。or 悪化させる。
温めると悪化させてしまう可能性もあるということですね。
これは症状の程度、経過によって様々なので、まず応急処置としてアイシングで冷やして、接骨院・病院などで状態を確認しましょう。
怪我をした日、まだ症状が強い日は湯舟に浸かることは控えてシャワー程度で済ます方がよいでしょう。
患部に傷がある場合は?
患部に切り傷など傷口から出血している場合はまず患部の消毒を行い、絆創膏などで傷口を塞ぎましょう。
その上からアイシングを行うとよいです。もしあれば、サランラップなどでさらに患部を覆ってから行うとなお安心です。
まとめ
なぜ冷やさないといけないのか、怪我をしたときのアイシングの注意点について知っていただけたと思います。
あくまで応急処置ですので、できるだけ早めに近くの接骨院・整形外科・病院などに行ってください。
怪我はいつ起きるかわかりません。予防も大事ですが、起きてからの対処法を身に着け、接骨院・病院などの機関に行くまでに少しでもご自身の怪我の回復に役立てていただければと思います。
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