手の指の腱鞘炎「ばね指」の症状の特徴・原因・予防法・治療法

手指の痛みを気にする男性

京都市内で5院展開のこばやし接骨整骨院グループです。

・指の関節が痛い
・動かしにくい
・カクカクする

こういった症状で悩んでいませんか?

それは、ばね指といい、手指の腱鞘炎かもしれません。

ばね指を放置すると、腱・腱鞘が硬くなっていき、次第に指の曲げ伸ばしが困難になってしまいます。

この記事ではばね指の特徴、原因、予防法などを紹介します。

ばね指とは

ばね指とは、手指の腱鞘炎の一種です。別名「弾発指」といいます。

「腱鞘」とは腱の鞘(さや)のことです。

鞘(さや)は骨にトンネルのように付いており、その中を腱が行き来することで、指を曲げたり伸ばしたり動かしたりすることができます。

曲げ伸ばしするたびに腱鞘の中を腱が往復するように動き、この部分に炎症が起こることを腱鞘炎といいます。

ばね指は腱鞘=鞘(さや)の部分が肥厚し硬くなると、その中を通ってる腱が擦れ合い炎症が起き腫れてしまう症状です。

腫れた部分が腱鞘の中を通る時に、スムーズに通れず通過障害が起こります。

そのとき、曲がった指を伸ばすために、強い力を加え指を動かすと、詰まっていた腱が一気に通ることができると「カクン」と跳ねるように動くのがばね指の特徴です。

すべての指でばね指は起こりますが、主に症状が起こりやすい指は親指と薬指が多いです。

また、手は日常生活でもよく使う部分で例えば物を取る時、掴む時や瓶を開ける時でも痛みが出て、生活に支障が出ます。

ばね指は以下の人に起こりやすい症状です。

・手を使う作業が多い方
・更年期、妊娠・出産後の女性
・糖尿病、リウマチ、透析など

それぞれ、理由を解説していきます。

手を使う作業が多い方

手・指をよく使う人は、腱や腱鞘に常に負担がかかっているのでばね指の炎症が起こりやすくなります。

例えば、パソコンのキーボードでの入力作業や楽器の演奏、手芸など細かい作業をされる方に多くみられます。

いわゆる、「指の使い過ぎ」でばね指の症状が起こります。

更年期、妊娠・出産後の女性

更年期の女性や、妊娠・出産期の女性はホルモンバランスが乱れやすくなります。

女性ホルモンの分泌が低下すると筋力や骨密度が低下するだけでなく、腱や腱鞘自体が弱くなり傷みやすくなるため、ばね指が発症する可能性が高まります。

上記の他に糖尿病、リウマチ、透析などの方にも起こったりします。

ばね指の治療法

ばね指は、痛めてすぐや症状が軽度な場合は手を使う頻度、動かすのを減らすと痛みが軽減していきます。

症状が中等症以上で、痛みがあるまま放置して手を使い続けていると症状が悪化し、ばね指の症状がきつくなります。

そして、腱・腱鞘が硬くなっていき、次第に指の曲げ伸ばしが困難になってしまいます。

ここで治療法をいくつか紹介します。

▽接骨院でできること

・手技
・リハビリテーション、ストレッチ
・超音波
・固定など

▽接骨院ではできないこと

・注射
・手術

接骨院でできること

手技

前腕の筋肉(曲げるために必要な屈筋)を緩めます。

なぜ指ではなく、前腕の筋肉を緩めるのでしょうか?

前腕の筋肉は、肘から始まって前腕を通りだんだん細くなって腱となり5本の指に分かれていきます。

指を動かす時の大元は前腕の筋肉です。

指に繋がっている腱は、イメージとしては操り人形のようになっています。

痛めている指の部分の負担を減らすために、前腕の筋肉をしっかり緩めます。

特に指が固まって動かしにくくなっている方は、前腕の筋肉が張ってきます。

それが、より指を動かしにくくさせる原因にもなります。

大元である前腕の筋肉を緩めてあげると指は動かしやすくなり、治療を続けていくことで症状は改善していきます。

前腕図

リハビリテーション、ストレッチ

▽痛めてすぐ、軽症の場合

ばね指の炎症が起こっているため、無理にストレッチをして痛めているところを伸ばしてしまうと炎症が引きにくくなります。

そのため、ストレッチをせず固定します。

炎症が引いてきて、症状の状況を見ながら指が固まるのを防ぐためストレッチを開始します。

▽動きの制限が出ている、中等症以上の場合
ばね指をそのままほっておくと、症状が治っても動きの制限だけが残って不自由さが出てしまいます。

そうならない為に、症状の状況を見ながらリハビリテーションやストレッチを加え、伸ばして動かしていきます。

主に前腕、指のストレッチ、指のPNFをおこないます。

▽指のPNFとは
PNFとは Proprioceptive Neuromuscular Facilitation の略語で和訳すると固有受容性神経筋促通法といいます。

簡単に説明すると、

・手を挙げる
・足を前に出す
・指を動かす

などの動作をする時に、脳から筋肉に指示を出し動かすことができます。

ばね指の症状が出ると、指が動かせない、動かしにくくなり、その事により動きの機能が落ち、脳から筋肉への連絡自体の機能も落ちてしまいます。

なので、動きの制限が出ている方にはリハビリテーションをして動かして、脳に刺激を与え本来の脳から筋肉への連絡が取れるようにしていくため行います。

超音波治療

傷んでいるところに超音波を当て、炎症を抑制、治癒促進させる効果があります。

固定

手を使ったり、指を動かすと腱と腱鞘が擦れてなかなか炎症が落ち着かないので、動かすのを制限するためにオルフィットという固定具で指を固定します。

オルフィット固定

オルフィット固定

接骨院では上記の固定写真のように、オルフィットを使って固定することができます!
付け外しもすぐにできて優れものです!

接骨院ではできないこと

注射

注射は腱・腱鞘の炎症を抑制させ、症状を早期改善、回復させるために行います。

ステロイド注射を打つことが一般的で、炎症を抑えてくれる作用があります。

症状が重いほど1回で症状がなくなるということは難しいため、接骨院と併用しながら治療されている患者様もおられます。

手術

ばね指の治療で最初から手術をすすめることはまずありません。

上記にも書いたステロイド注射をまず行いますが、注射をして目安では3回目でも症状の回復が乏しかったり、再発が繰り返される場合手術も検討されます。

手術では、腱鞘を切開します。

肥厚し硬くなった腱鞘を1〜1.5cmほど切開することで、腱が腱鞘というトンネルの中を通りやすくなり、指の曲げ伸ばしがスムーズになります。

基本手術後は入院することなく、日帰り手術で行われています。

ばね指の予防法

ばね指をご自身で予防できる方法として、ストレッチが効果があります。

前腕の筋肉に柔軟性を出すことにより指にかかる負担を減らせるので、ご自身でできるストレッチ方法を紹介します。

前腕のストレッチ

前腕のストレッチ
前腕の筋肉(指を曲げる時に使う筋肉)
肘を伸ばし、反対の手で伸ばしたい方の手のひらを反らしてストレッチします。

指のストレッチ

指のストレッチ
指の腱(指を曲げる時に使う腱)
反対の手で伸ばしたい指を反らしてストレッチします。

家でも外でも仕事場でも簡単にできるストレッチなので、手をよく使う方は予防の為に是非やってみてください!

まとめ

ばね指で悩んでいる方は多いと思います。

「これぐらいなら大丈夫」

と思って放置される方も多いと思います。

繰り返しになりますが、ばね指の痛みがあるまま放置して手を使い続けていると症状が悪化し、指の曲げ伸ばしが困難になってしまいます。

1人で悩まず、症状を甘く見ず一度、接骨院にご相談ください!

また、注射や手術を希望される場合はかかりつけ医等にしっかり相談、説明を受けてからするようにしましょう!

この記事を書いた人 : 谷口 翔哉(柔道整復師)


京都市内で6院展開のこばやし接骨整骨院グループでは、ばね指の治療はもちろん、ケガの治療から予防法の指導まであなたのベストパフォーマンスを追及します。体の痛み・辛さでお悩みの方はご相談ください。

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