ランニングやスポーツの際の「足の親指=母趾」の付け根の痛みに悩んでいませんか?
それは母趾の付け根の裏側にある種子骨という軟骨周辺の炎症、種子骨障害かもしれません。
この記事では種子骨障害の症状の特徴・原因・予防法などを紹介します。
種子骨障害とは
種子骨障害とは、足の親指のつけ根の裏側、母指球の部分にある小さな2つの軟骨、種子骨の周囲でおこる炎症、あるいは骨損傷のことをいいます。
種子骨とは
手や足の親指の付け根にある小さな骨のことを種子骨といいます。
種子骨は主に指を動かす腱の働きを助けています。腱の滑りをよくする滑車の働きや腱が脱臼(=ズレること)を防止する役割などがあります。
ちなみに膝のお皿、膝蓋骨は人体最大の種子骨です。
画像の青色の部分が足の親指の種子骨です。
種子骨障害の原因
①母指球の繰り返しの衝突
マラソンなど歩数が多い競技では、母趾球が地面に当たる回数が多く、繰り返しの衝撃で種子骨、もしくは周囲の腱が損傷し、炎症を起こします。
また剣道など裸足で床に強く踏み込むような競技は裸足であるため、そもそも衝撃が強く、なおかつ衝突を繰り返すことで炎症を起こします。
マラソンや剣道は種子骨障害が多い競技です。
②偏平足・外反母趾
偏平足のほとんどの方は外反母趾になってしまっています。
外反母趾は親指が小指の方に曲がってしまいます。
この場合、2つの種子骨の間を通っている長母趾屈筋腱という親指を曲げるための腱が種子骨を起点に曲がってしまい、その部分の擦れが強くなります。
この状態でたくさん歩く、走るなど負担が多くなると種子骨障害になりやすくなります。
画像の青色に着色している細長いものが長母趾屈筋腱です。
左右の種子骨の間を通っていて、この間を滑るように動きます。
偏平足について他の記事も紹介していますので参考にご覧ください
③ハイアーチ(土踏まずが高い)
偏平足の人は腱の擦れによる種子骨障害になりやすいのですが、土踏まずが高い人は種子骨に体重がかかる力が強くなり、種子骨障害になりやすいです。
「ハイアーチ=土踏まずが高い」人は足を地面についた際に母指球にかかる圧力が強くなります。強く体重がかかる中で使いすぎると種子骨障害になりやすくなります。
種子骨障害の症状
母指球の足裏に炎症がおこり、その部分を押した際の痛み(=圧痛)を確認することができます。
歩行でいうと母指球を地面についた際や、地面を蹴り上げる手前での痛みを感じます。
炎症が強い場合、または種子骨の骨損傷がある場合は腫れも確認でき、痛みは強くなります。
足の裏の問題ですので、一度痛くなると運動などの原因となった動作を中止しても、普段の歩行などが負担となり、治りにくいことも特徴です。
種子骨障害の治療
①免荷
種子骨部分に直接かかる圧力を減らすため、
- その部分に穴をあけたインソールを靴に挿れる
- 土踏まずをサポートするインソールを靴に挿れる
など物理的な負担を減らします。
痛いところにやわらかいクッションを当てても体重が乗った際には圧力が強くなり、逆効果となる場合が多いです。
②アライメント調整
インソールやテーピングにより、踵や土踏まずや指の向きを整え、バランスよく体重がかかるようします。
あるいは腱の方向を整え擦れを減らし、負担を減らします。
③超音波療法
上記のことと並行して損傷組織の回復を早めてくれる超音波療法を行います。
種子骨障害の予防
①アライメントの問題を解決する
前述した通り、偏平足・外反母趾・ハイアーチなど足の形の問題がある場合、これを整えておくと種子骨障害のリスクを減らすことができます。
種子骨障害のみならず、足部のアライメントの不整はそのまま全身のバランスに影響しますので、足の怪我全般、腰の怪我にも繋がります。
アライメントのチェックは専門家に任せましょう。
当院グループでは患者様の治療の際に足部のアライメントを重要視し、チェックしています。興味のある方はぜひご来院ください。
②足部、下腿部の筋肉を柔らかくしておく
特に、土踏まずの内側の筋肉は種子骨障害に大きく関わってきます。青竹踏みやゴルフボールなどボールを踏むなどマッサージをする。またふくらはぎから足裏まで繋がっている筋肉もありますので、ふくらはぎもストレッチなどで柔軟にしておくとよいでしょう。
まとめ
今回は種子骨障害について紹介しました。
一度なってしまうと負担が取りづらく、長引いてしまう怪我です。繰り返しの衝突による物理的な原因から外反母趾など体の形、使い方の問題など原因も様々です。母指球の部分に痛みがある時は、症状の正体、原因を探るため、専門家のチェックを受けましょう!
京都市内で5院展開のこばやし接骨整骨院グループでは、種子骨障害の治療はもちろん、ケガの治療から予防法の指導まであなたのベストパフォーマンスを追及します。体の痛み・辛さでお悩みの方はご相談ください。