こんにちは、こばやし接骨整骨院グループ（京都市）です。
「あごを開けると痛くて、ご飯を食べるときにつらい……」
そんなお悩みを抱えていませんか？
それは、顎関節症(がくかんせつしょう)の症状かもしれません。
顎関節症は、
・口を開けづらい
・あごを動かすと痛い
・音が鳴る
など、生活の中でストレスになる症状が多く見られます。
実は、この顎関節症は鍼灸（しんきゅう）治療により軽快するかもしれません。
本記事では、顎関節症の症状や原因、そして実際に当院で行っている鍼灸治療の内容や症例についてご紹介します。
顎関節症にお悩みの方、あるいは「鍼灸治療で本当に改善するの？」と疑問に思っている方は、ぜひ読み進めてみてください。
顎関節症とは？
顎関節症とは顎を動かすときに痛みや不快感を感じる症状です。
①あごが痛む（顎関節痛・咀嚼筋痛(そしゃくきんつう）
・顎を動かすときに痛みや違和感を感じる
・頭痛や耳の周りの痛み
②口が開かない（開口障害）
・口を開けるときに痛みがあり開かない、いつもより開きにくい
③あごを動かすと音がする（顎関節雑音）
・顎がカクカク、ガクガクと音を立てる
の3つの症状に1つでも当てはまることを総称して顎関節症と言います。
顎関節は、あごの下に位置する関節で、頭の骨（側頭骨）と下あごの骨（下顎骨）の間にあります。
この関節が正常に機能しないと、口を開ける、食べる、話すといった動作に支障をきたします。
これらの症状は個人によって異なりますが、顎の不調が続くと、日常生活に支障をきたすことが多いです。
智歯周囲炎(ちしゅういえん)でも開口障害を生じることがあり、関節リュウマチでも開口障害，関節雑音，顎関節の痛みなどの症状がみられます。
また、あご先の打撲などにより起こった顎関節炎でも、口が開きづらい、顎関節が痛いという症状が見られることがあります。
しかしこれらは顎関節症とは診断されません。
顎関節症は、他の似たような症状となる疾患を除外し、最終的に残った病態をまとめて「顎関節症」と呼びます。
顎関節症の原因
顎関節症の原因は複数あり、以下のようなものが考えられます：
歯ぎしりや食いしばり
ストレスや緊張による歯ぎしり、食いしばりが顎に負担をかけ、関節や筋肉にダメージを与えることがあります。
顎関節への外的衝撃
事故やスポーツで顎に衝撃が加わると、顎関節や周辺の筋肉が損傷し、症状が引き起こされることがあります。
不適切な噛み合わせ
歯並びや噛み合わせが悪いと、顎関節に不均等な負担がかかり、問題が生じやすくなります。
遺伝的要因
顎関節症は、遺伝的に発症しやすいこともあります。
ストレスや心理的要因
精神的なストレスや不安が顎関節に悪影響を与えることもあり、これが原因で症状が悪化することがあります。
顎関節症に対する鍼灸治療の効果
顎関節症に対する鍼灸治療のご紹介をします。
鍼灸治療では、筋肉の弛緩や疼痛の軽減を効果としています。
顎関節症では、咀嚼筋(そしゃくきん)の痛みや障害が起こります。
噛むときに使う筋肉に異常が起こっています。
すると、この筋肉の緊張が強くなり、結果痛みが出たり動かしにくくなります。
その際に、鍼灸治療によって筋肉を緩めてあげることで、痛みが軽減し動きやすくなります。
鍼灸治療の方法
灸治療では、主に「鍼」を用いて筋肉の緊張を和らげていきます。
顎関節症の場合、関連してくるのが咀嚼筋です。
顎を動かす筋肉たちを総称して咀嚼筋と呼びます。
咀嚼筋は、口の周りや頭にまで付いており、以下に代表されます。
側頭筋(そくとうきん)
頭の横に付いています。
こめかみの後ろ部分を触れながら歯を噛み締めると、動いてる様子がわかります。
咬筋(こうきん)
顎の横に付いています。
ほっぺたの横の部分を触れながら歯を噛み締めると、動いている様子がわかります。
外側翼突筋(がいそくよくとつきん)
顎のエラの後ろの部分にあります。
下顎を前方に動かす(しゃくれる)際に働く筋肉です。
主にこれら咀嚼筋に鍼を打っていきます。
症状は
・口が開かない
・口を開けると引っかかる
・顎を動かすと痛みがある
など人によって様々なので、施術後に違いを感じていただくために、その人の主症状をチェックしてから治療を始めます。
顔に鍼を打つことになりますが、顔にある筋肉は非常に薄いので、扱う鍼は短く細い刺激の弱い種類の物を使用します。
画像の真ん中の鍼を使用します。
ちなみに、右の鍼は腰など体の治療時に使用します。
実際の症例：40代・女性のケース
当院で行った、40代・女性の患者さまの鍼灸治療の症例をご紹介します。
来院時の状態
もともと顎関節症を患っており、口を開けるときに「引っかかり」がある状態。
ご飯を食べるときの痛みが強く、「食事がしづらい」というお悩みでした。
この方は元々顎関節症を持っていて、口を開ける際に引っかかりが起こっていました。
症状
口を大きく開こうとすると、左顎関節の部分に痛みが走り、指を縦に2本ほどしか入らないほど開口障害がありました。
触診では左の咬筋が硬く、外側翼突筋を押すと鋭い痛みが生じました。
治療内容
咀嚼筋に鍼を打ちました。
側頭筋への鍼には、電気を流すパルス治療(電気鍼)を施しました。
左右で顎は繋がっているので、痛みを感じていない右の顎関節にも鍼を打ちました。
鍼を受けた反応としては、右側は痛くなかったが左側は痛みを感じておられました。
電気鍼の詳細は別の記事でもご紹介していますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
治療後の変化
治療後、再度口の開き加減をチェックしたところ、指が縦に3本分入るほど開くようになりました。
痛みも軽減していましたが、口を最大限に開けた際には、まだ痛みが残っている状態でした。
口を開けられるようになったので、「ご飯が美味しく食べられるようになる」と喜んでおられました。
このように、鍼灸治療で咀嚼筋の緊張をほぐすことで、開口障害や痛みが改善するケースがあります。
もちろん個人差はありますが、
「なかなか良くならない」
「他の治療では効果を感じにくかった」
という方には、一度試していただく価値は十分にあるかと思います。
まとめ
顎関節症は放置しておくと、慢性的な痛みや不快感に悩まされ、食事や会話など日常生活にも大きな影響を及ぼします。
早期に治療を行うことで、症状をの悪化を防ぎ改善しやすくなります。
顎の違和感や痛みが続く場合は、早めに専門家に相談しましょう。
顎関節症による急激な痛みや、長年続く顎関節の悩みを解決する方法として鍼灸治療も取り入れてみてください。
この記事を書いた人 ： 荒木 暉弥(鍼灸師)
こばやし接骨整骨院グループ（京都市）では、顎関節症の鍼灸治療はもちろん、ケガの治療から予防法の指導まであなたのベストパフォーマンスを追及します。体の痛み・辛さでお悩みの方はご相談ください。
