放置は危険!足首の捻挫・靭帯損傷が引き起こすリスクとは

こばやし接骨整骨院グループ(京都市)です。

捻挫と聞けばまず最初に思い浮かべるのが、足首の捻挫だと思います。

足首の捻挫はスポーツをしている・していないにかわらず、子供から大人までどんな人でも起こり得る怪我です。

そもそも捻挫とはどう言ったものなのか、捻挫をしたらどの様な処置が必要なのか、ご存知でしょうか?

「足首の捻挫なんてほっておいたら治るだろ!」
「スポーツ選手だから捻挫程度では練習を休めない」

―このように放置してしまうと、思わぬ後遺症や痛みが長引く原因につながる可能性もあります。

本記事では、足首の捻挫による靭帯損傷とはそもそもどのような状態なのか、そして放置によるリスクや必要な処置・ケア方法などをわかりやすく解説いたします。

もし現在ケガをして悩んでいる方や、痛みをガマンしながら日常生活やスポーツを続けている方は、ぜひ参考にしてください。

捻挫とは

捻挫とは、関節に大きな力がかかった際に、関節を支えている軟部組織(靭帯、関節包など)が損傷する状態を指します。

どの関節にも起こりうるケガですが、特に多いのが足首です。

たとえば、日常的によく耳にする「寝違え」や「ぎっくり腰」も、実は首や腰の関節部分に負荷がかかって炎症が起こるという意味では捻挫の一種です。

またスポーツの現場でよく起こる「突き指」も捻挫の一つになります。

転んだり、スポーツで捻ったりして作られた炎症、傷などの刺激によって発痛物質が作られて痛みが起こります。

捻挫は、靱帯の損傷具合によって3種類の重症度に分けられます。

1度(軽度)→靭帯が一時的に伸びている程度で、痛みや腫れも軽度

2度(中等度)→靱帯の一部が切れている状態

3度(重度)→靭帯が完全に切れていて、関節が不安定な状態

また捻った時の強さによっては靭帯損傷だけでなく、軟骨を損傷したり、靭帯ついていた部分の骨を一緒に剥離(はくり)させてしまう剥離骨折を起こす場合があります。

足首の捻挫の特徴

足首の捻挫は、スポーツ選手でも一般の方でもよく起こるものです。

まずは、足首を捻挫したらどのような特徴や症状があるのか見て行きましょう。

外くるぶし付近(外果)をひねった場合

足首付近の捻挫で多く起こるのが、外くるぶし付近で起こる捻挫です。

学的には外くるぶしを「外果」と呼びます。

この捻挫は、足首を内側に捻って起こるもので「内返し捻挫」と言います。

この捻挫を起こすと、まず外くるぶし付近が腫れてきます。

受傷した部分に熱感が出てきます。

少し時間が経つと、画像の様に下の方が青紫色になってきて出血しているのがわかります。

この画像は中等度の損傷の画像です。

中等度では靭帯が部分的に損傷しています。

足の甲(小指側)に起きる捻挫

同じく内返しの動きに近い形で、足の甲の小指側をひねってしまう捻挫もよく見られます。

ここには「二分靭帯」と呼ばれる小さな靭帯があり、(画像2挿入)の赤丸部分が傷むと、小指側や足先のほうまで出血が広がり腫れや熱感が出てきます。

骨折を伴っている場合は、足先や小指側の方に出血後が現れます。

内くるぶし付近をひねった場合

次に内くるぶし側で起こる捻挫です。

足首の内側にも靭帯があり、画像の赤丸部分で損傷する事が多いです。

先ほどの内返し捻挫と違い、外側に足首が矯正されたことによって起こる捻挫です。

この捻挫の特徴は、内くるぶし付近に症状が出ます。

内くるぶし付近で腫れが出てきて熱感が出ます。

靭帯損傷や骨折などがあった場合は、出血痕が内側の踵部分から土踏まずぐらいまで出てくる事があります。

外くるぶし側の捻挫とは違い、内側に出血などの症状が出てきます。

足首前面をひねった場合

最後に、足首の捻挫の中でも最も治りにくいとされるのが足首の前面です。

画像の赤丸部分で起こる捻挫です。

これは、原因は足を踏み込んだ時などに足首の背屈動作が矯正され、受傷します。

ここを痛めると、外くるぶしから足首全面にかけて腫れや痛みが広範囲に及び、重度の場合は靭帯や骨折の状態次第で、踵から足の甲外側あたりまで内出血が広がることもあります。

そしてこの捻挫をしてしまうと

画像の部分の靭帯が損傷する事が多く、この靭帯が損傷すると簡易な固定だけで治すことは難しくなってきます。

放置した場合のリスク

足首の捻挫を放置すると、様々な後遺症のリスクがあります。

スポーツの現場では足首の捻挫ぐらいでは、中々休めない雰囲気があるかもしれません。

しかし、適切な処置ができなかった場合、足首の腫れが残り痛みを誘発させるセンサーが過敏になり、安静時でも痛みを感じる様になります。

冷えたり、いつもより負担がかかったりすると痛みを出してしまいます。

また緩んだ靭帯を放置しておく、関節自体が不安定になり関節に症状をきたす事があります。

特に、変形性関節症のリスクが高くなり、歳を取ってから変形が進んできます。

緩んだ靭帯を放置することによって足首と言う土台が不安定になり、膝や股関節の怪我のリスクも高くなります。

スポーツ選手であれば、競技パフォーマンスの低下にも繋がります。

また子供は良く足首を捻ります。

靭帯は強い組織なので、子供の頃に強い捻挫をすると一緒に骨も剥がれる事が多いです。

それに気づかず、放置すると大人になっても骨片が残ってしまう事もあります。

当院での足首捻挫に対する処置方法

当院において、足首の捻挫や靭帯損傷に対しどの様な処置を行くのかを紹介します。

軽度の捻挫

軽度の捻挫の場合は、画像の様にテーピングなどを用いて処置します。

テーピングで足首を安定させ、日常生活やスポーツ中の負担を減らすことで、靭帯をはじめとした軟部組織の回復を助けます。

中等度以上の捻挫


中等度(靭帯の部分断裂)以上の損傷が疑われる場合は、取り外し可能なシーネ固定を使用することがあります。

このシーネ固定は取り外す事ができます。

固定具を作成して包帯で固定する方法です。

子どもの捻挫では、場合によっては軽度でもシーネ固定をする事もあります。

ギプス固定より強度は落ちますが、必要十分な固定力もあり、痛みを抑えながら治癒を促進します。

また内くるぶし側の捻挫は普通のテーピングだけだと治りにくいです。

なぜかと言うと、内側の捻挫は歩く度に足首が矢印の方向に捻られるので、その度に靭帯が伸ばされやすいためです。

そこで当院では、土踏まずの部分に「たまごパッド」を入れて矢印方向への強い捻れを防ぎながらテーピングを行います。

足首前面の捻挫(重度の場合)

前脛腓靭帯を損傷するような足首前面の捻挫は、軽度・中等度の処置だけでは治癒が遅れやすいため、当院ではギプス固定をお勧めする場合があります。

しっかりと固定しなければ、痛みが長引いたり、治りが遅くなり結果的に後遺症に繋がる可能性があります。

その他、骨折を伴う捻挫(剥離骨折など)や重度の靭帯損傷に対しても、ギプス固定を用いるケースがあります。

まとめ

足首の周囲には多くの靭帯があり、捻挫をすると靭帯損傷が起こりやすいことをまず知っておいてください。

なかでも最も受傷例が多いのが「前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)」です。

内側の三角靭帯や足の甲にある二分靭帯なども含め、どの靭帯を損傷しても放置すれば将来的に運動パフォーマンスの低下や日常生活での痛みにつながる恐れがあります。

とくに注意していただきたいのが「前脛腓靭帯」の損傷です。

前脛腓靭帯は前距腓靭帯に近接しているため、前距腓靭帯の捻挫と合併して起こるケースも少なくありません。

前脛腓靭帯を損傷している場合は治りにくく、必ずしっかりとした固定を行うことが不可欠です。

当院では特にこの靭帯損傷を重要視しており、エコーや各種検査を用いて正確な状態を把握し、適切な処置を行っています。

患者様のライフスタイルなどを考慮して、最適な治療方法をご提案いたします。

この記事を書いた人 : 梅本 龍佑(柔道整復師)


京都市内で7院展開のこばやし接骨整骨院グループでは、捻挫・靭帯損傷の治療はもちろん、その他の体のケガの治療から予防法の指導まであなたのベストパフォーマンスを追及します。体の痛み・辛さでお悩みの方はご相談ください。

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