膝の違和感・お皿の下が痛い!膝蓋腱炎(ジャンパー膝)かも?

スポーツ活動をした後や、よく動いた後に膝や膝のお皿の下が痛んだり、膝を曲げると痛みが出る事はありませんか?

それは膝蓋腱炎(ジャンパー膝)かもしれません。

この記事では膝蓋腱炎の特徴、原因、検査方法、予防、治療方法などを紹介します。

膝蓋腱炎とは

太ももの前側の筋肉、大腿四頭筋と呼ばれる筋肉は、内側から

  • 内側広筋
  • 中間広筋
  • 大腿直筋
  • 外側広筋

の四つの筋肉から構成されています。

その四つの筋肉は膝のお皿の上で1つになり、膝蓋腱となって、膝の少し下の骨が盛り上がっている部分(脛骨粗面)に付着します。

その膝蓋腱の部分で炎症を起こして痛みが発生すると、膝蓋腱炎もしくはジャンパー膝と呼ばれます。

(Thanks to @visiblebody)

画像の青色の部分が膝蓋腱です。お皿を介して、大腿四頭筋と繋がっています。

膝蓋腱炎の原因

 

スポーツ活動中の急な減速や加速、競技の中でのジャンプ動作の繰り返しによって、大腿四頭筋から膝蓋腱に繰り返し負担がかかり、膝蓋腱に炎症がおき痛みが発生します。

膝蓋腱炎は一回の外力で起きるものではなく、繰り返しの負荷によって起こる(オーバーユース症候群)なので徐々に痛みが出てきます。

バスケットボールや、バレーボール、陸上の跳躍競技などで多く見られます。

また、下半身の使い方が悪く、スポーツ活動の中で大腿四頭筋ばかりを使ってしまっていると起こしやすくなってしまいます。

この場合の悪い使い方とは簡単に言うと、走ったり、中腰になるなどの膝を曲げる動作の際に、膝がつま先より前に出てしまう使い方です。

↑一歩踏み出した体勢や、中腰の体勢で膝がつま先より前に出ています。

この体勢は大腿四頭筋メインで力が入ってしまい、膝蓋腱の負荷が大きいです。

↑膝がつま先より前に出ていません。

これらの体勢では、大腿四頭筋、太もも裏のハムストリングスという筋肉にバランスよく力が入り、膝蓋腱の負荷は少ないです。

大腿四頭筋の柔軟性不足も原因として挙げられます。

大腿四頭筋が硬いと、膝蓋腱を引っ張る力が強すぎて、負担が増えてしまいます。

膝蓋腱炎の症状

運動中に、膝の前面に痛みが発生します。痛みは膝の前面にでたり、膝のお皿の周りに出たりします。

症状を段階的に分けると4段階に分けられます。

  1. 運動後に膝に痛みが出るが、日常生活では支障のないもの
  2. 運動の前と後に膝が痛むが、運動自体には支障のないもの
  3. 運動中に痛みが出現し、思い通りに競技や、スポーツ活動に取り組めないもの
  4. 膝蓋腱の部分断裂や完全断裂のあるもの

膝蓋腱炎の検査方法

膝蓋腱炎の検査方法は、

  1. 立った状態で膝の屈伸運動を行い、痛みが出るか
  2. 座った状態で、膝を伸ばす動作に抵抗を加えた際に痛みが出るか
  3. うつ伏せになり膝を曲げた際に痛みが出るか

この3点と、膝蓋腱の所に腫れや圧痛がないかを調べ、最後にエコー画像検査を行います。

↑横から見た膝蓋腱のエコー画像です

膝蓋腱炎のエコー画像です。健側と患側で比較しています。

患側では炎症により、毛細血管が増えています。

膝蓋腱炎の治療

当院では、まず患部に対して超音波治療を行います。硬くなっている大腿四頭筋を手技療法やストレッチによって柔らかくし、膝蓋腱への負担を減らします。

さらに膝蓋腱をテーピングやサポーターなどによって、圧迫し動きを抑制することで、症状の軽減を図ります。

↑大腿四頭筋から膝蓋腱までのサポートのテーピングです

↑膝蓋腱を抑えることで、大腿四頭筋から引っ張られるストレスを抑えるサポーターです

原因の項でも述べたように、スポーツ活動の中で他の筋肉より大腿四頭筋をメインで使ってしまっている可能性が高いので、普段の姿勢やスポーツ活動中の体の使い方を指導し、ケガの根本改善を行っていきます。

症状の③④の状態で痛みが強く、運動続行が困難な場合は一旦、安静に過ごしながら治療を進めていき、回復状況を見ながら段階的に復帰していただきます。

膝蓋腱炎の予防

膝蓋腱炎にならないための予防策は

  1. 日々のストレッチで大腿四頭筋の硬さを取り除く
  2. 正しい足の使い方で、大腿四頭筋の負担を減らす

この2点です。

大腿四頭筋が硬くなった状態でスポーツ競技などを行うと、膝蓋腱は強く引っ張られ、通常よりも負担をかけてしまい、膝蓋腱炎が起こってしまいます。

日々のストレッチで大腿四頭筋の柔軟性を保ちましょう。

原因や治療の項で触れましたが、症状が治っても、また、いくら筋肉が柔軟でも、大腿四頭筋に負担のかかる足の使い方をしてしまったら再び膝蓋腱炎になってしまいます。

このように膝がつま先より前に出ないような使い方を身に着けてもらうために、運動、生活の指導を行います。

まとめ

膝蓋腱炎はスポーツ現場ではよく出会うケガです。

多くの場合は練習を休むことなく続けながら治すことが可能です。
しかし、体の悪い使い方を根本的に改善しないと、何度も繰り返してしまいます。

当院グループでは、患者様1人1人の体の使い方を評価し、それぞれにあった提案をさせていただきます。

京都市内で5院展開のこばやし接骨整骨院グループでは、膝蓋腱炎の治療はもちろん体のケガの治療から予防法の指導まであなたのベストパフォーマンスを追及します。体の痛み・辛さでお悩みの方はご相談ください

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