運動時のしつこい膝の痛み。もしかして腸脛靭帯炎かも?

ランニングや運動時に、

膝の外側あたりが痛くてたまらない

などの症状に身に覚えはありませんか?

それは腸脛靭帯炎というケガかもしれません。
陸上長距離ランナーに多いことからランナー膝とも呼ばれています。

この記事では腸脛靱帯炎の特徴と原因、予防法を紹介して少しでも症状への理解が広がればと思います。

腸脛靭帯炎の症状

腸脛靭帯炎とは、屈伸運動により大腿骨(太ももの骨)と腸脛靱帯(体を外側から止めているバンド状の線維)との間で擦れて起こるケガです。

症状としては、膝のお皿の骨の外側から上方2〜5センチのところで痛みを訴える事もありますが、腸脛靱帯のある部分(下記画像の青色部分)のどこで起きてもおかしくはないケガです。

初期の頃は動かしていると痛み、安静にしていると痛みが消えるのも特徴です。

しかし、痛みがないからといって走り続けてしまうと痛みが強くなり、安静にしていても痛みが伴うようになる事があり、早期の発見と治療が大事になってきます。

(Thanks to @visiblebody)

腸脛靭帯炎の原因

腸脛靭帯炎の主な原因は、

  • 体の悪い使い方やそれによる下肢のねじれ
  • またはオーバーユース(使い過ぎ)

などが挙げられます。

腸脛靭帯炎は陸上長距離ランナーに多いことからランナー膝とも呼ばれます。

体の使い方が悪いと発症してしまう事が多く、ランニングなどの運動中に、膝がつま先より前に出てしまう動作が増えれば増えるほど起りやすいケガでもあります。

ランナーではなくとも、膝の曲げ伸ばしなど繰り返し負担のかかる動作が多い方が発症しやすいケガです。

ランナー膝と呼ばれるケガは他に

  • 膝の前側が痛む膝蓋靱帯炎(別名ジャンパー膝)
  • 膝の内側が痛む鵞足炎(がそくえん)

などがあります。

どのケガも腸脛靭帯炎と同様の原因で起こることが多いです。

腸脛靭帯炎の診断方法

腸脛靭帯炎のチェックでは、グラスピングテストという徒手検査(手で行う検査)を用いて行います。

膝の外側に骨のでっぱりがあり、その2〜3cm上を指で押しながら膝の曲げ伸ばしをした際の痛みの有無を確認し、痛みがあれば陽性です。

陽性所見と前項で挙げたような原因があるかどうか照らし合わせて判断します。

腸脛靭帯炎の治療

まずは痛みが出た場合はアイシングが一番効果的です。

初期の場合マッサージと超音波治療器での治療により、約1週間〜2週間ぐらいで痛みが消える事もあり、スポーツをしながら改善していく事が可能です。

症状が悪化するとなかなか治りにくく時間がかかるため、早期発見が大事になってきます。

手術などの手段もありますが安静にすれば治る怪我でもあり、あまり一般的ではないでしょう。

腸脛靭帯炎の予防

腸脛靱帯炎は、悪い体の使い方の蓄積により起こるケガですので、疲労を溜めないように運動前後で行うストレッチが重要です。

ストレッチを行うことにより、腸脛靭帯の周辺の筋肉が柔らかくなり、腸脛靱帯自体へのストレスも減ります!

ストレッチによる腸脛靭帯炎の予防

腸脛靱帯炎の予防に有効な前もものストレッチを3種類紹介します。

前ももストレッチ1

  1. 地面に座布団やマットを引く
  2. 片側の膝を曲げれる範囲で曲げる(できれば体もそのまま倒す)
  3. 30秒間できるだけ深い呼吸をする
  4. 反対足も同様におこなう
前ももストレッチ2

  1. 足が伸ばせるぐらいのベッド・台などに足を乗せる
  2. 足をしっかり伸ばして体を前に倒す
  3. 30秒間できるだけ深い呼吸をする
  4. 反対足も同様におこなう
前ももストレッチ3

「ストレッチ2」が終わった後にそのまま続けて伸ばすと有効的です。

  1. ベッドや椅子に片足を乗せる
  2. 片手で足首あたりを掴む
  3. 力まない範囲で膝を曲げていく
  4. 30秒間できるだけ深い呼吸をする
  5. 反対足も同様におこなう

これらのストレッチを予防法として活かしてください。

もう一つの予防法として、スポーツをされる際や日常生活の中での、体の使い方の改善があります。

体の使い方の改善による腸脛靭帯炎の予防

次のような姿勢を取り続るとケガのリスクが高くなります。

  • 膝が内に入っている
  • 骨盤が片方に傾いてしまっている
  • 一歩出した際につま先より前に膝のお皿の骨が突き出している

正しくは以下のような姿勢を意識してください。

  • 骨盤が左右で同じ高さにあるか
  • 膝は体の軸に対して真っ直ぐ出ているか
  • 膝のお皿の骨がつま先より前に出ていないか

日常的にこれらのポイントを意識することで、正しい体の使い方を覚えていきケガを予防していきます。

また、筋力低下もケガのリスクのため、筋力アップすることが予防につながります。

筋力アップによる腸脛靭帯炎の予防

チューブを使ったお尻のトレーニングをする事でお尻の筋肉を鍛えていきます。

1つ目の動画の通り上半身は動かさずに股関節を真上に引き上げるように行ってください。

2つ目の動画ではつま先より前に膝が出ていない事、上半身が伸び上がっていないかをチェックして行ってください!

まとめ

いかがでしたか?

腸脛靱帯炎はランナー膝と呼ばれますが、長距離を走る選手以外でも起こるケガです。

使い方を治すことでこれから起こりえるケガを未然に防ぎ、楽しく快適に運動が出来るように心がけていきましょう。

当院グループでは今回紹介したように、患者様1人1人の使い方のミスを見つけ、それぞれに合ったストレッチやトレーニング方法などの改善策を提案いたします!


京都市内で5院展開のこばやし接骨整骨院グループでは、スポーツ等によるケガの治療から予防法、体の使い方の指導まであなたのベストパフォーマンスを追及します。

体の痛み・辛さでお悩みの方はご相談ください。

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