こんにちは、こばやし接骨整骨院グループ(京都市)です。
お子様の成長期のケガや痛みでお悩みではありませんか?
たとえば、手首や腕が痛いのに「成長痛だから大丈夫だろう」と軽視してしまった経験はないでしょうか。
それが、実は骨端線損傷と呼ばれる成長期特有のケガである可能性があります。
この記事では、骨端線損傷の特徴や原因、治療法、さらに放置するとどうなるかを詳しく解説します。
この情報を読むことで、成長期の子どものケガの本質を理解し、適切な対処法を知ることができます。
ぜひ最後までお読みいただき、お子さまの健康を守る手助けとしてお役立てください。
骨端線損傷の特徴
骨端線損傷とは、成長期の骨の成長を司る軟骨の層である骨端線に傷がつき、幅が広くなったり、ずれてしまう障害です。
手首付近には、様々な関節が集まり構成されています。
その周りには、様々な機能の筋肉・神経・靭帯が通っています。
骨折などの怪我の際には、この周りの組織の損傷度合いをチェックする事はとても重要な事です。
骨端線は骨本体よりも耐久力が弱いため、成長期に繰り返し外力が加わるか、一度に大きい外力が加わることで損傷し、骨端線が開いてしまいます。
骨端線損傷の部位別症状と原因
骨端線損は、部位によって次のような症状や原因、治療法などが異なります。
足首の骨端線損傷
足首をひねることで発生します。
骨端線がなければ、外側の靭帯を切ってしまうことがほとんどですが、成長期の子供の場合、靭帯の強度に軟骨が負けて損傷し、骨端線が開いてしまうことがあります。
上腕骨の骨端線損傷
野球の投球やバレーボールのアタック、バドミントンなど、腕を挙げてから力を入れて振り下ろす動作を繰り返すスポーツでよく起こります。
投球動作で上腕骨にかかる捻りのストレスと遠心力が主な原因です。
前腕骨の骨端線損傷
手をついて転けた、ボールの強さで手が負けて弾かれて、その際にも捻りなどのストレスが起こると離開し損傷します。
この記事では、主にこの前腕骨の骨端損傷について取り上げていきます。
成長期の骨の特徴3つ
成長期の骨には以下のような特徴があります。
この特性が、骨端線損傷を引き起こすリスクや治療のポイントに関わってきます。
1.骨膜が厚く血行が豊富
骨膜とは、骨の表面を覆う強靭な膜です。
この骨膜は成長期の子どもでは特に厚く、血行が豊富であるため、骨が折れた際の修復力が非常に高い特徴があります。
骨折時に骨膜が剥がれにくいため、骨の位置を整えやすく、治癒もスムーズに進みます。
成長期の骨癒合期間は成人よりも約3分の2と短く、偽関節(骨が正しく癒合しない状態)が生じることはほとんどありません。
2.骨は柔軟性に富む
成長期の骨は柔軟性が高いです。
骨の構造にはコラーゲン繊維が多く含まれており、これにより、成人の骨と同じ強度を持ちながらも、大きな変形に耐えることができます。
そのため、成長期の骨折は粉々になることは少なく、完全に折れるのではなく、曲がるような形状をとることが多いです。
3.自家矯正能力が高い
成長期の骨は再形成能力が非常に高く、自分で歪みを矯正する力を持っています。
骨端軟骨(骨端線)の働きにより、骨折で生じた変形が自然に修正される可能性が高いです。
この自家矯正能力は、特に骨端に近い部位で顕著であり、若ければ若いほどその効果は強く現れます。
手の腫れ場合、親指側のポコっと出ている骨辺りに出ます。
手をつけないので、椅子に手を置く事も難しくなります。
その他は、ある程度の手首の動きの制限でとどまります。
骨端線損傷の原因
骨端線損傷の主な原因は、手のひらをついて転倒した際や、手首を無理に反らされたときです。
骨折ほどの外力が加われば折れてしまいますが、そこまでの外力が加えられなければ、骨端線にストレスがかかります。
特に手首を反らす力が強制されると、手首は怪我をします。
骨端線は非常に緩く、成長期の段階では、骨も折れずに曲がる変形を起こすだけです。
骨端線損傷の治療
当院では、以下のような治療を提供しています。
超音波治療
骨端線損傷に適した方法として、細かい振動を利用した超音波治療を行っています。
この治療法により、通常の治療よりも3~4割早く回復が見込めます。
固定療法
患部をライトスプリント(取り外し可能な固定具)で固定します。
これにより患部の保護を徹底しながらも、超音波治療を継続して行うことが可能です。
骨端線損傷の症例
12歳・男子(サッカー部)
キーパーの練習中にシュートが左手に当たり、痛みを訴え来院。
左手首周囲に腫れがあり、手首掌を反らすのと親指側に倒す時の痛みが出現し、患部にピンポイントで押すと痛みも見られました。
エコーで確認したところ、押して痛む部位に一致した不正像が見られたので、骨折を疑いました。
ギプス固定と提肘をして、整形外科へ紹介しました。
ギプスに穴をあけて開け、超音波を当てれるように細工しました。
毎日当てて2〜3週間固定し、手指の運動や筋力トレーニングなどを指導し、治療を行っていきました。
まとめ
成長期の怪我は、早急に確実に治さないと何年後までも響いていきます。
中にはその怪我が、今身体の危険信号を出している事もあります。
大きな怪我をする前に気付けることが最も大切です。
そのために、少しでも痛み・違和感を感じたときは、近くの院にご相談下さい。
この記事を書いた人 : 後藤 誓(柔道整復師)
京都市内で6院展開のこばやし接骨整骨院グループでは、成長期のお子様の不調、ケガの治療から予防法の指導まであなたのベストパフォーマンスを追及します。体の痛み・辛さでお悩みの方はご相談ください。