こばやし接骨整骨院(京都市)グループです。
仕事や家事の最中、また手をついた覚えもないのに手首が痛くなった、などで悩んだりしておられませんか?
ほとんどの方が手首が痛くなれば
「腱鞘炎かな?」
と自己判断する事が多いと思います。
腱鞘炎と言ってもその症状のあり方や原因などは様々です。
早めに必要な処置や治療をしないと、症状がかなり長引くことになりかねません。
腱鞘炎はどこにでもなる可能性があります。
年齢問わず、どんな人でも起こり得る症状です。
この記事では、手首の腱鞘炎についての解説、一番多いケースであるド・ケルバン症候群の症状・原因・治療方法を紹介していきます。
腱鞘炎とは?
腱鞘炎とは、骨と筋肉を繋いでいる腱とその腱を包んでいる腱鞘が擦れることによって、炎症が起こることを言います。
腱鞘炎は、主に使いすぎで症状が出る事が多いです。
しかし、中には使いすぎている訳でもないのに、手首が痛くなる事もあります。
加齢に伴い腱が硬くなることや、女性の場合ではホルモンバランスの変化などで手首に炎症を起こすこともあります。
腱鞘炎と腱炎の違い
腱炎とは、腱鞘炎と違って腱そのものに炎症が起こる事を言います。
原因としては加齢により腱が弱くなり、損傷や炎症が起こりやすくなるため、腱炎は通常、中年か高齢の人に起こります。
また腱炎は、激しい運動をする若い人や、反復作業をする人にも起こります。
腱鞘炎に関わる体の構造
腱鞘炎に関わる体の構造について説明いたします。
腱と筋肉の違いは?
腱は筋肉と違って硬く非常に繊維質です。
逆に筋肉は柔らかく動きが良い組織です。
腱は筋肉が骨に付着する付近のことで、筋肉の働きをサポートするとともに、体の構造を安定させる役割があります。
腱鞘とは?
腱鞘とは「刀の鞘」のようなものだと想像してください。
腱鞘があることによって腱は滑らかに動く事ができ、手指や手首、足の関節付近にも多くあります。
動かした時に腱が浮かび上がらない様、抑え力を有効に使える様にしているのが腱鞘です。
この腱鞘が、使いすぎやホルモンバランスなどの不調により、手首や手指の炎症を起こしてしまう犯人なのです。
特に臨床で多く見られるのが膝の腱炎、アキレス腱の腱炎、そして最後に手首の腱炎です。
特に皆さんの中でもポピュラーなのが、手首の腱鞘炎でしょう。
ここでは最も多い手首の腱鞘炎に触れていきます。
手首の腱鞘炎「ド・ケルバン症候群」
ド・ケルバン症候群は手首の腱鞘炎の一つです。
特に手首の親指側の腱鞘炎です。
親指と手首(手関節)を繋いでいる2本の腱短母指伸筋腱、長母指外転筋腱や、その2本の腱を覆うトンネルのような腱鞘が炎症を起こしている状態です。
症状としては物を掴んだり、タオルを絞る動作で痛くなったりしますが、一人一人の生活環境によって痛みの出方は違います。
どんな人に多い?
圧倒的に女性に多いとされています。
更に年齢別にみてみると、発症のピークが2回あります。
一つ目に症状が出やすい時期
[出産時期・妊娠:20〜30代]
授乳や沐浴で赤ちゃんの頭を支える時など、親指を広く広がる動作を頻繁にすることで、親指につく腱に負担がかかり炎症が起こります。
妊娠や出産をするとホルモンバランスが一時的に崩れると言われています。
この時期に手首の痛みがある方はすぐに相談して下さい。
二つ目に症状が出やすい時期
[更年期:50〜60代]
閉経を伴うホルモンバランスの変化によって手首に痛みが出てくる人は多いです。
また家事や仕事で使いすぎて炎症を起こすケースも多いです。
女性ホルモンの変動
ド・ケルバン症候群が女性に多い理由の一つとして、上記でも述べたホルモンバランスの変動があげられます。
妊娠・出産時期には「プロゲステロン」という、妊娠の維持に必要なホルモンが多く分泌されます。
プロゲステロンには腱を覆う腱鞘を収縮させる作用があり、腱の滑りを悪くする原因の一つと言われています。
また更年期の時期には、卵胞ホルモンと言われる「エストロゲン」が閉経に伴い減少していきます。
エストロゲンには様々な作用がありますが腱や関節の柔軟性を保つ作用があり、これが減少することにより腱や腱鞘に炎症を起こしやすくなります。
以下の様な職業の人にも起こりやすいです。
・料理人
・美容師
・ピアニスト
・テニスプレーヤー
・ゴルファー
など指や手首を酷使する方。
また手の細かい動きを必要とする様な職業の方に起こりやすく、仕事でパソコンのキーボード操作をよくする方は意外と親指を使う頻度が高いのです。
ド・ケルバン症候群はセルフチェックも簡単にできます。
フィンケルシュタインテスト法
親指を内側に入れて、握り拳をつくり、そのままの形で手首を小指方向に曲げていきます。
その際に腱が引っ張られることになり、親指側の手首に痛みが出たら陽性となります。
岩原・野未徴候
手首を手のひら側にできる限り折り曲げ、その状態で親指と人差し指の間をできるだけ開きます。
開いた状態で、痛みが親指側の手首に出れば陽性となります。
治療法
ド・ケルバン症候群は保存療法でも完治は可能です。
患部を安静にさせるために、取り外しの可能な固定具を使用することもあります。
実際に固定しながらも仕事を続けて、完治された患者様もおられます。
また超音波療法やハイボルテージでの治療、鍼の治療でも効果的です。
まとめ
手首の腱鞘炎でとくに多い、ド・ケルバン症候群は一度なると、なかなか治らないものが多いです。
そこには様々な原因があります。
手首は日常的にも使わない時が無いぐらいですので、人によっては安静にしておく事も難しいかも知れません。
一人一人のライフスタイルに合った治療をお勧めします。
そして必ず放置せずにお悩みであれば、お近くの整骨院や医療機関などの専門家にご相談ください!
この記事を書いた人 : 梅本 龍佑(柔道整復師)
京都市内で6院展開のこばやし接骨整骨院グループでは、手首の腱鞘炎の治療はもちろん、ケガの治療から予防法の指導まであなたのベストパフォーマンスを追及します。体の痛み・辛さでお悩みの方はご相談ください。